2009 Fiscal Year Annual Research Report
受精に関与する新しい細胞外ユビキチン-プロテアソーム系の解明
Project/Area Number |
09J06571
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横田 直人 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 受精 / 細胞外プロテアソーム / 精子 / マボヤ / カタユウレイボヤ / ユビキチン |
Research Abstract |
(1)プロテアソームの細胞外ソーティング機構解明のため,マボヤ各組織から20Sプロテアソームを精製し,それらのサブユニット構成を比較,確認した.その結果,マボヤ精子と卵,筋肉においてα6サブユニットの分子量がそれぞれ異なっていることが明らかになった.レクチンブロッティングや,抗リン酸化タンパク質抗体を用いた翻訳後修飾の有無の確認を行なったが,翻訳後修飾を受けていることを示すデータは得られなかった.LC/MS/MS解析の結果,精子由来α6サブユニットはC末端側の16アミノ酸残基が欠失していることが判明した.また,選択的スプライシングの可能性を示唆するデータは得られなかった.本研究の結果,マボヤ精子,卵には特異的なサブユニットが存在しており,精子特異的サブユニットではC末端から16アミノ酸残基までが翻訳後プロセッシングによって切断されていることが示された.これは組織特異的なαサブユニットのC末端部分のプロセッシングが存在することを明らかにした始めての研究であり,この組織特異性が細胞外で働くことに関与している可能性も考えられ,今後の詳細な解析によりこのプロセッシングの重要性が明らかになると期待される.(2)プロテアソームの局在性解析のためのGFP融合プロテアソームを発現するトランスジェニック動物の作成を試み,マウス,ホヤへの遺伝子導入のためのコンストラクト作成まで完了し,現在遺伝子導入を試みている.(3)受精に関与するユビキチン化酵素を明らかにするためにユビキチン化酵素に関する研究を行い,カタユウレイボヤ精巣で特異的に発現しているユビキチン結合酵素を同定し,この酵素が精子形成の後半に発現していることを明らかにした.これは,このユビキチン結合酵素が受精もしくは精子形成において重要な役割を果たしている可能性を強く示唆している.
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Research Products
(2 results)