2010 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児・者のストレス特性及びストレス認知特性の解明
Project/Area Number |
09J06585
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊勢 由佳利 京都大学, 医学研究科 人間健康科学系専攻, 特別研究員(PC1)
|
Keywords | 広汎性発達障害 / ストレス / 小学生 / 特別支援教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、発達障害児・者のストレス特性及びストレス認知特性を解明することである。ストレス特性の解明とは、発達障害児・者が経験しているストレス内容について主観的指標(質問紙)を用いて明らかにすることを意味している。また、ストレス認知特性の解明とは、発達障害児・者がストレスをどのように認知し、ストレッサーに対してどのように反応をしているかを主観的指標と客観的指標の両方を用いて明らかにすることを意味する。これらの目的を達成するため、本研究では、第一に質問紙を用いてストレス特性を明らかにするフィールドでの調査研究、第二に主観的指標と客観的指標を同時に用いてストレス認知特性を明らかにする準実験室研究、という2つの研究を行う。 本研究の22年度にむける主な成果はは、第三の研究の進展である。今年度は昨年度に引き続き、広汎性発達障害児のストレス認知特性について調べるための準備研究として、これまでのストレス実験において最もよく使用されてきた心理的ストレス課題である'計算課題'と、新規に設定した「最近1カ月で自分自身に起こったストレスフルな出来事の想起」という'想起課題'に対するストレス反応について健常者を対象に実験を行った。この結果、「最近1カ月で自分自身に起こったストレスフルな出来事の想起」いう、侵襲性もなく、年齢や知的レベルの制限が少なく、比較的容易に行うことが出来る課題において、精神的・心理的ストレスに対するストレス反応としてに対する客観的指標としてその有用性が示されてきている唾液中CgA及び主観的指標として最もよく使用されている不安尺度(STAI)において有意な変化が見られた。これにより、今後本研究で使用するストレス課題を'ストレスフルな出来事の想起'として実験を行うことを決めることができ、また健常者ではこのストレッサーに対して、客観的指標および主観的指標で同様の変化がみられることが分かったはた。現在この準備研究は投稿中である。
|
Research Products
(1 results)