2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌及び前癌病変でのFFPEサンプル遺伝子発現及びマイクロRNA網羅的解析
Project/Area Number |
09J06630
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仲田 興平 九州大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | FFPE / マイクロダイセクシ / 膵臓癌 |
Research Abstract |
本研究の目的は膵癌、IPMNのFFPEサンプルを用いてmRNA、miRNAを同定し、膵癌の発癌経路を解明することである。平成21年度までに以下の研究を行い報告した。Reg4、CDX2が腸型IPMNに特異的に高発現することを特定し、IPMNの中でも特異な発癌経路が存在することを示した(研究1)。S100PがIPMNの中でも浸潤部に特に強く発現することを示し、S100P発現解析により悪性度の高い浸潤癌を特定できる可能性を示した(研究2)。もう一つの膵発癌経路であるPanIN経路についてLMO2の発現解析を行い、PanIN2以降の高異型度群において発現が高いことを示した。また、LMO2高発現膵癌症例が、低発現症例に比し予後良好であることも示した(研究3)。現在、これらの遺伝子群につき、それぞれ膵発癌経路における役割を解析している。 平成22年度は、膵癌での浸潤・転移に関わるmiRNAの同定を更に進めた(研究4)。マイクロアレイによる網羅的発現解析の結果、複数のmiRNAが候補としてあげられ、膵癌における発現と予後の関わりや機能の解析を進めた。今回、microRNA-203、17-5p、200cについて新たな知見が得られた。microRNA-203は膵癌において高発現しており、特に治癒切除ができた症例においては、高発現群で有意に予後不良であった。同様にmicroRNA-17-5pも膵癌において高発現しており、高発現症例で有意に予後不良であることが判明した。また、その高発現が膵癌の浸潤・増殖を促進することも示した。microRNA-200c発現はE-cadherinの発現と強い相関があり、EMTを抑制することで浸潤を抑制し、高発現群で予後良好であることを示した。一方で増殖は促進したため、更なる機能解析を進めた。
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Research Products
(4 results)