2009 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロエコノミクスアプローチによる過去の想起と分散する時間割引率の研究
Project/Area Number |
09J06631
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 紘康 Osaka University, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神経経済学 / 実験経済学 / 行動経済学 / fMRI / 時間割引 / 不確実性下の意思決定 / 異時点間選択 |
Research Abstract |
研究計画にしたがって、以下の活動を行った。 (1)専門知識の獲得のため、学会・会議への出席または研究施設の訪問を行った。具体的には、マレーシア科学大学でのfMRI(機能的磁気共鳴イメージング装置)施設確認、また異時点間選択や神経経済学に関連する学会に参加し、実験設計について意見交換をおこなった。 (2)生理学研究所からfMRI解析プログラミング(SPM)の講習を受けた。当初の計画ではロンドンのトレーニングコースに参加する計画であったが、国内での受講に変更した。基本的な操作法はすでに習得しているが、プログラムのバージョンを新しくしたことと、より高度な分析方法を得るために参加した。 (3)本計画の予備実験として行った実験結果(行動実験とfMRI実験)を、2010年度前半に投稿できるように準備している。結果はおおよそ以下の通りである。まず行動実験では、短期(2ヶ月以内)な小額所得(2500から4500円程度)を受け取る異時点間選択に直面した被験者は指数割引や双曲割引に取引コストを考慮したモデルの当てはまりが良いことがわかった。一方fMRI実験では、即時報酬よりも遅延報酬を選好する被験者は(現在の自分から将来の自分への)自己投影(Self-Projection)と理解される脳領域(内側前頭-側頭-頭頂ネットワーク)をいっそう賦活させる。また、不確実性な報酬を選択するときには、被験者は計算と評価と理解される脳領域を賦活させるというものである。 さらに、研究専念義務の範囲内で2つの研究をまとめている。
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