2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機単結晶を用いた両極性発光トランジスタによる高輝度発光素子の研究
Project/Area Number |
09J06637
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蓬田 陽平 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イオン液体 / 有機トランジスタ / 発光トランジスタ / 両極性トランジスタ / 電気二重層トランジスタ / 有機単結晶 / 両極性伝導 / イオンゲル |
Research Abstract |
本研究の目的は、トランジスタ構造を用いた有機材料における高効率・高輝度発光の実現である。発光トランジスタはレーザーを含めた高輝度発光素子実現の可能性があり、非常に注目されている。高輝度な発光を実現するためには、より光りやすい材料(高効率発光材料)に対して可能な限りの大電流(高電流密度)を実現する必要がある。本研究では、そのための手法として、高発光効率と高電流密度を両立するために高効率発光材料の有機単結晶を用いる手法、そしてキャリアを高濃度に蓄積しさらなる高電流密度を実現するためにゲート絶縁膜に電解質を用いる手法の独立した二つの手法を組み合わせた研究を行った。まず、高効率発光材料の有機単結晶の探索を行い、その単結晶に対して電解質を用いた電気二重層トランジスタの作製に試みた。広範な電解質材料およびデバイス構造の探索と最適化を行い、最終的にはイオンゲルというゲル状電解質を用いて、有機単結晶トランジスタを実現した。さらに、窒素雰囲気のグローブボックス中の低温測定システムを改良し、低温において電解質を凍結することによって極めて高い電流密度を実現することに成功した。これは従来の電気二重層トランジスタと比較して100倍以上と極めて高い電流密度であり、通常のトランジスタでは実現し得ない電流密度である。極めて高強度の発光も観察し、高発光効率と高電流密度が両立していることが示唆され、本研究の目的を達成した。
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Research Products
(10 results)