2009 Fiscal Year Annual Research Report
PDD/ADHD/MR児への子育て支援に関する介入研究
Project/Area Number |
09J06714
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
童 連 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 子供 / 発達障害 / 育児環境 / 子育て支援 |
Research Abstract |
全国大規模コホート調査において開発された就学前社会スキル尺度を使用し、実際に医療機関の診断を受けている広汎性発達(PDD)の幼児及び非該当児との関連から、尺度の予測性を検討した。尺度の各下位尺度得点と、社会性の障害という特徴を有する広汎性発達障害との有意な関連より、尺度の予測妥当性が示された。このことから、自閉傾向の早期発見、早期支援に有効である可能性が示唆された。 次に、12年間継続している夜間保育園を含むパネルコホート調査によって収集されたデータを整理し、家庭の中で重要な育児環境要因と子供の気になる行動との関連を明らかにした。さらに、子供の社会能力に関するポジティブな育児活動を明らかにしたことにより、介入方法開発の有意な根拠とすることが期待できる。例えば、親がよく子供をたたくことは、子供の他動と不注意行動、及び行動問題に対してネガティブな影響がみられた。特に、親が子供の自発性を尊重することは子供の他動と不注意行動を減少する効果が示唆された。さらに、子供の社会能力に関するポジティブな育児活動を明らかにしたことにより、発達障害児の社会能力を高めるためには、総合的な介入方法が有効であることが明らかになった。例としては、親と子供が一緒に博物館や美術館に行く機会が多ければ多いいほど子供同士の仲間関係がよい傾向がみられた。 一方、7歳時点での子供の問題行動と養育要因の関連には、性差が認められた点も本年度の大きな研究成果である。具体的には、女児自身の感情制御と他動および不注意行動、共感性の発達と感情問題との負の相関が明らかになった。男児の場合、他動と不注意行動に関連する要因として、自身の発達ではなく、親の関わりの関連の方が強くみられた。このことは、今後の介入方法の開発と介入実施において、性差の影響を考慮する必要性を明らかにしている点で意義深いと考えられる。
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Research Products
(3 results)