2010 Fiscal Year Annual Research Report
PDD/ADHD/MR児への子育て支援に関する介入研究
Project/Area Number |
09J06714
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
童 連 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 子供 / 発達障害 / 育児環境 / 子育て支援 |
Research Abstract |
「共感性」は客観的な視点から言葉を理解する能力であり、理解するということに根差した人に優しく接するための動機(刺激)でもある。ADHD(注意欠陥過活動性[多動性]障害)児は、低い社会能力、共感能力を表し、その衝動性や抑制の困難さは彼らの共感の表現に支障をもたらす可能性がある。「共感性」は、他の子どもたちが学ぶ技能(読書力や楽器の演奏を身につけるような)と同様に、共感の技能は訓練を必要とし、鍛えることが出来る。ADHD/PDD(広汎性発達障害)児は「共感性」の発達に苦労している可能性があることが研究によって明らかとなった。「共感性」の訓練はこのような子どもたちにとって特に重要である。 また、私たちは親子の相互作用能力は子どもの共感発達向上に影響することを発見し、母親の育児態度や行動は父親よりも子どもの共感性に大きく関連があることがわかった。例えば、母親の「ほめ」は子どもの共感性を促進し、本を読むことは子どもにとって非常に重要であるという母親の意識は、子どもたちの共感性を高める結果となる。なぜなら、母親は子どもと一緒に本を読むことで、読みながら気持ちや気分を子どもに伝達するからである。加えて、母親の精神的健康状態も子どもの共感性に影響する。もし、母親がストレスの高い状態であれば、その子どもの「共感性」は低値を示すと考えられる。子どもの性別も「共感性」と密接に関連付けられ、多くの場合、女児は男児よりも高い共感性を示す。 共感の訓練をするために、子どもたちは愛情につつまれて(愛情あふれる雰囲気の中)いなければならない。日々、母親はストレスが少ない「ほめる」など愛情あふれる雰囲気の下で、子どもとふれあうべきであるという事が私たちの研究により示された。この発見により、子どもの共感性発達が促進され「社会性」が向上すると考える。特に発達障害児にとってこの発見は有意義なものである。
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Research Products
(2 results)