2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化膜を有する磁性金属ナノ粒子の設計とその複合機能化
Project/Area Number |
09J06717
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 良一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 磁性スポンジ / 磁性 / 合金ナノ粒子 / 磁性触媒 / 機能性ナノ粒子 / 磁場応答 / 協奏触媒 |
Research Abstract |
「自己組織化膜を有する磁性金属ナノ粒子の設計とその複合機能化」の最終年度にあたる本年は、主題である磁気物性が明らかとなった磁性ナノ粒子を用いた「磁性スポンジ」をJ.Am.Chem.Soc.誌で発表を行った。この論文は強い磁気モーメントを持つ磁性ナノ粒子が作り出す磁気双極子相互作用に着目し、外部磁場に応答して異方的に構造変化を起こす物質の開発を行ったものである。これは、外部磁場を印加すると磁気モーメント(N極とS極)が整列し、引き合うことで磁性体の構造が潰れ、また、外部磁場を切ると磁気モーメントの整列が起こらないので磁性体の構造が元に戻る物質である。この構造変化に伴い、内部に蓄えられているガス分子等の出し入れが可能となり、磁場をスイッチとする可変構造の作成に成功した。このように磁気双極子相互作用とファンデルワールス力が協奏・競合する系がナノ磁性体構造で世界で初めて実現された。この成果は、イギリス化学会からハイライト報道され、また、NatureAsiaMaterialsからもハイライト報道され、世界から大きく認められた研究となった。これらのハイライト記事では、「この研究は将来ガス分子種を薬に置き換え、磁場を印加することで好きな時、好きな場所で薬を放出することが出来る画期的な物質になることが期待されている」とかかれており、今後の展開が大いに期待されている有意義な研究成果を残すことが出来た。
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[Journal Article] Magnetic Sponge Prepared with an Alkanedithiol-bridged Network of Nanomagnets2011
Author(s)
Yoshikazu Ito, Akira Miyazaki, Kazuyuki Takai, Vajiravelu Sivamurngan, Takashi Maeno, Takeshi Kadono, Masaaki Kitano, Yoshihiro Ogawa, Naotake Nakamura, Michikazu Hara, Suresh Valiyaveettil, Toshiaki Enoki
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc.
Volume: 133
Pages: 11470-11473
Peer Reviewed
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