2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J06729
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高松 瑞代 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 微分代数方程式 / 回路シミュレーション / 組合せ最適化 / 混合解析 / クロネッカー標準形 |
Research Abstract |
本研究では,古典的な回路解析法である混合解析を非線形時変回路に適用して得られる微分代数方程式を解析し,指数0/1に対する回路の構造的特徴づけを与えた.微分代数方程式の指数は数値的難しさの指標であり,指数が大きいほど数値計算が困難になる.特に,指数2以上の微分代数方程式は,指数0/1の場合に比べて数値計算がはるかに難しいことが知られている.本研究で得られた特徴づけを利用することで,指数が0/1/2以上のいずれになるかを高速に判定することができる.また,素子を追加することで,指数1以下の回路設計が可能になる.この特徴づけは,昨年度に提案した非線形時変RLC回路に対する結果の拡張になっている.拡張に成功したことで,より現実の回路を対象に含めることができる.今後は,この特徴づけが混合解析における指数最小化アルゴリズムの構築に役立つことが期待される.さらに本研究では,物理システムを記述する有用な道具である混合行列束のクロネッカー標準形の計算法を提案し,微分代数方程式の指数を計算する新たなアルゴリズムを導出した.これまで得られていた結果は,行列のすべての係数が独立パラメータであるという仮定を課していた.本研究ではこの結果を,独立パラメータと正確な数値を持つ混合行列束に拡張することで,現実に現れるモデルへの適用を可能にした.本研究の特徴は,回路や数値解析の分野に現れる問題に対し,最適化の視点に立ち,マトロイド理論を利用して取り組んでいる点にある.
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Research Products
(10 results)