2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁性薄膜のエピタキシャル成長と薄膜評価に関する研究
Project/Area Number |
09J06780
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大竹 充 中央大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | パターンド媒体 / エピタキシャル磁性薄膜 / 硬磁性材料 / 軟磁性材料 |
Research Abstract |
情報記録の主要技術となっている磁気記録装置では、記録の大容量化を測る新記録方式として、記録ビット分離型のパターンド媒体技術が検討されている。パターンド媒体技術には垂直磁気記録方式が用いられるため、媒体は軟磁性材料と垂直方向に磁化容易な硬磁性材料を組み合わせた積層磁性構造薄膜にする必要がある。また、実用化のためには記録ビットの磁気特性均一化が必須であり、結晶方位と原子レベル構造を高度制御したエピタキシャル磁性薄膜による媒体形成が有効である。本研究課題では、軟磁性材料として、Fe, Co, Niを基本構成元素とする3d強磁性遷移金属材料に着目し、硬磁性材料として、SmCo_5合金とFePd合金に着目した。そして、これらの磁性材料に対して、エピタキシャル薄膜形成技術の基礎構築、および薄膜構造と磁気特性の解析を行った。本研究で開発したエピタキシャル磁性薄膜形成技術は薄膜構造をサブナノメートル・オーダーの制御可能性を示すものであり、パターンド媒体に適用することが出来る。また、単結晶基板を用いて一連の磁性材料のエピタキシャル薄膜形成機構を系統的に調べることにより、磁性薄膜成長の基本メカニズムが明らかになった。そして、比較的厚い膜厚を持つ準安定3d強磁性金属薄膜や磁化容易軸が膜面垂直方向となったSmCo_5単結晶薄膜などの形成技術開発は本研究が始めてである。一連の研究成果を17件の雑誌論文(うち査読付論文14件)、および31件の国際会議と国内学会発表として発表した。
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Research Products
(49 results)