2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J06785
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
玉井 総一 Osaka University, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 中枢神経系 / 神経変性 / 分子生物学 |
Research Abstract |
神経細胞が長期間にわたって健全に維持されることは、中枢神経系の高次機能の発現に必要不可欠である。そのため神経細胞は、神経変性を誘引するような神経毒に対する防御システムを持つと考えられる。このシステムの分子基盤を理解することは、神経科学分野の重大なトピックであると共に、神経変性疾患の予防および治療戦略につながる重要な課題である。本研究では転写因子E4BP4の生理的役割の解析を突破口として、神経変性を防御・抑止する分子機構を解析する。 本年度はまず、マウス胎児脳から調製した培養神経細胞を用いてE4BP4の神経変性抑止効果を検証した。神経細胞が様々な細胞傷害にさらされると、防衛反応としてE4BP4の発現が亢進する可能性がある。極めて注目すべきことに、高濃度グルタミン酸(神経細胞の過剰興奮を誘発する興奮毒)刺激など種々の神経傷害性刺激を培養神経細胞に投与したところ、E4BP4の発現が顕著に誘導された。さらに、E4BP4に対するshRNAを発現するプラスミドを作製し、神経細胞おいてE4BP4をノックダウンすると、傷害性刺激によって誘発する神経変性が顕著に促進することが明らかになった。以上の解析により、E4BP4の発現誘導が神経細胞の保護に大きく寄与するという極めて興味深い知見が得られた。さらに、E4BP4の神経変性抑止効果を個体レベルで検証するため、神経系特異的にE4BP4を発現するトランスジェニックマウスの作製に着手した。CaMKIIαプロモーターの下流にE4BP4をつないだトランスジーンの作製は既に完了しており、このトランスジーンを持つ変異マウスを現在作製中である(理化学研究所との共同研究)。今後、このマウスと神経変性疾患モデルマウスと交配させて二重変異マウスを作製し,E4BP4の発現によって神経変性の発症が遅延されるかを解析していく予定である。
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Research Products
(1 results)