2010 Fiscal Year Annual Research Report
微細形態学的アプローチによる分裂期スピンドル構築メカニズムの解析
Project/Area Number |
09J06795
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上原 とも子 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分裂期紡錘体 / オーグミン / 電子顕微鏡 / ヒト骨肉腫由来U2OS細胞 / RNAi / 加圧凍結置換固定 / 三次元トモグラフィー / 免疫電顕 |
Research Abstract |
中心体非依存的に紡錘体内部で微小管を生成するのに必要であるオーグミン複合体は、γチューブリン複合体を既存の微小管上に局在させることによって、新たな微小管を生成する核として働くと予想されている。しかし、オーグミンによって紡錘体にどのような微小管構造が形成されているのかは明らかにされていない。そこで本研究では、RNAi法と三次元トモグラフィー法を組み合わせることによって、紡錘体の微細形態解析を進めている。 まず初めに、サファイアディスク上に培養したヒト骨肉腫由来U2OS細胞の加圧凍結置換固定法を確立し、状態の良好な試料をコンスタントに得ることに成功した。次に、加圧凍結置換固定した有糸分裂中期の野生型細胞とオーグミンRNAi細胞の準超薄連続切片を作製し、それらの紡錘体の領域を超高圧電子顕微鏡で傾斜撮影した。こうして得られた三次元トモグラフィー画像を解析することによって、現在、紡錘体における微小管のマイナス端およびプラス端を同定し、さらにそれらの分布を可視化しているところである。最終的には、野生型細胞とオーグミンRNAi細胞における中期紡錘体の微細構造モデルを、形態的および定量的観点で比較する予定である。 また、紡錘体微小管とオーグミンの局在性の関係を知る手がかりを得る目的で、GFPラベルしたオーグミンサブユニット発現細胞を加圧凍結置換固定し、免疫電顕用試料も作製した。現在は、免疫染色の条件検討を行っている。 本研究は、紡錘体形成におけるオーグミンの機能を明らかにする上で重要な側面を担い、さらに紡錘体構造の新たなモデルを提唱し得ると期待される。
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