2010 Fiscal Year Annual Research Report
性特異的形質の神経による誘導とその種差を生み出すfru遺伝子発現調節領域の同定
Project/Area Number |
09J06797
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高柳 咲乃 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | fruitless / 調節領域 / ローレンス筋 |
Research Abstract |
ショウジョウバエの成虫雄に存在する雄特異的筋肉であるローレンス筋の形態には種間差がある。Drosophila melanogasterでは腹部背板第5節の左右に一対形成されるのに対してD.subobscuraでは第4節と第5節に二対形成される。この種間差はローレンス筋の誘導に必須であるfruitless遺伝子の発現調節領域が種によって異なることに起因すると考えられた。そこで、subobscuraの推定調節領域をクローニングしてmelanogasterのゲノムに挿入し、subobscura様のローレンス筋の形成能を有するかどうか確認した。具体的には、6kb, 12kb, 18kb, 31kbの異なる長さのsubobscuraのfru上流配列について複数の形質転換体を得て、fru typeBMを強制発現させるための系統とかけ合わせた。これにより、fru typeBMをsubobscuraの推定調節配列の作用下に発現させ、ローレンス筋形成を観察した。結果、複数の系統で二対のローレンス筋が形成されることを確認した。6kbの推定調節配列を用いた際にローレンス筋が二対形成されたことから、少なくともこの6kbに重要な領域が含まれていると考えられた。そこで、領域をしぼりこむため6kbよりも短い2kbと4kbのsubobscura fru上流配列をもつコンストラクトを作成した。また、D.melanogaster fruの上流配列5kbを用いてもローレンス筋が形成されず、上流7kbを用いるとローレンス筋が形成されることがわかっているので、fruのプロモーターから上流5kbまでのmelanogasterの配列に、5kbから7kbまでのsubobscuraの配列をつないだキメラコンストラクトを作成し、ローレンス筋が誘導されるかどうか観察することにした。
|