2009 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球分化と遺伝子再構成における低分子量Gタンパク質Rap1の機能に関する研究
Project/Area Number |
09J06841
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若江 亨祥 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | αβ型T細胞 / 遺伝子再構成 / 対立遺伝子排除 / Rap1 / preTCRシグナル |
Research Abstract |
TCRβトランスジェニックマウスではpreTCRシグナルが恒常的に活性化されるため、内因性のTCRβの遺伝子組み換えが抑制されていることが知られている(対立遺伝子排除、allelic exclusion)。Rap1がCD4CD8ダブルネガティブ胸腺細胞においてpreTCRシグナルを介したallelic exclusionに関与しているかを調べるため、TCRβトランスジェニックマウスをRap1のドミナントネガティブ変異体であるRap1 S17Aのコンディショナルトランスジェニックマウスを掛け合わせた。さらにlckcreトランスジェニックマウスとかけあわせを行い、TCRβトランスジェニックマウスにおいて胸腺細胞特異的にRap1活性を低下させる実験系を作成することに成功した。 TCRβ・Rap1S17Aダブルトランスジェニックマウスにおいて、内因性TCRβ遺伝子の組換え抑制が解除されるかを解析した。その結果、Rap1S17A強制発現によって、内因性のTCRβの組換えがわずかに検出されることを発見した。 現在Cpa3 CreトランスジェニックマウスをTCRβ・Rap1S17Aダブルトランスジェニックマウスとかけあわせを行っている。Cpa3Creはlck Creより胸腺細胞の成熟段階においてより未分化な段階からCreを発現する実験系であり、より明確なphenotypeを確認できることを期待している。
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