2009 Fiscal Year Annual Research Report
単一生細胞におけるArnt転写活性の可視化とPML bodyによる調節機構の解明
Project/Area Number |
09J06852
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
御領 憲治 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Arnt / PML body / FLIM-FRET / 外来異物応答 / 低酸素応答 / 遺伝子調節 |
Research Abstract |
本研究では、ダイオキシンなどの環境汚染物質が関与する外来異物応答や、固形腫瘍の形成などの低酸素が関与するストレス応答に重要な役割を果たす転写因子のパートナータンパク質として知られているArntの転写因子としての機能に、転写制御などの機能を有する核内ドメイン構造であるPML bodyがどのように関わっているのかを明らかにすることを目的にしている。まず、Arntの核内局在の違いによる転写活性の変化を解析するために、単一細胞における転写活性の測定系の構築を行った。次に、PML bodyの主要構成因子であるPMLのうち、Arntと相互作用することが報告されているPMLIVを過剰発現させ、Arntの転写活性への影響を調べた。外来薬物3-MCを用いた転写活性測定を行ったところ、PMLIVの過剰発現によって子宮頸癌由来のHeLa細胞と乳癌由来のMCF-7細胞で転写活性の増大が見られた。今後はPMLIVの過剰発現によって見られた転写活性の増大をArntの核内局在の違いに注目して、上記で構築したプラスミドを用いて解析する予定である。また、Arntと同様にbHLH-PAS型の転写因子で、低酸素ストレス応答のネガティブレギュレーターとして働くIPASが副腎髄質褐色細胞腫由来のPC12細胞において低マグネシウム条件下で低酸素模倣試薬である塩化コバルトによる酸化ストレスによって特異的に誘導されることが先行研究により明らかにされた。そこで、IPASの誘導に関与するシスに働くDNAエレメントを明らかにするために、種々のレポーターを構築し、低マグネシウム条件下で酸化ストレスを与えて、レポーター活性の変化を測定した。現在のところ有意に作用するDNAエレメントの特定には至っていないが、今後も条件を検討し解析する予定である。
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Research Products
(3 results)