2009 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ流を用いた逆転磁場配位の能動的安定化の実験的検証
Project/Area Number |
09J06889
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 慎悟 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズマ / 逆転磁場配位 / プラズマ流 / シア流 / 飛行時間差 / トムソン散乱計測 |
Research Abstract |
磁気閉じ込め方式で現在主流のトカマク配位は、経済的性能を表す指標β値(=熱圧力/磁気圧)の限界がβ=0.1程度と経済性に課題がある。対して、異なる磁場構造の逆転磁場配位(以下FRC)はβ≒1と磁気閉じ込め方式の中で最高のβ値を有し、経済的な炉を造れる可能性がある。しかし、FRCでは核融合に必要なプラズマの長時間維持や安定性への解析が未解明であり、その解明に新たな手法が必要である。 プラズマ合体装置TS-4では合体法によるFRCの生成により、プラズマの内側と外側の速度が±10km/s程度の流速シアと呼ばれるプラズマ流が発生し、それにより安定化すること出来る。これを利用し、更に新規のプラズマ生成を行い再度プラズマを合体させることで、流速シアによる準定常な安定化を試みている。昨年度はポロイダルコイルを作成し、外部トロイダル磁場を用いたものではあるが、新プラズマを作成することに成功した。 また、FRCにおける熱・電流機構の解明のため、世界初の電子温度・密度二次元分布計測装置を主導的に開発を行った。この装置は一般的なトムソン散乱計測と比較して、ミラー群によりレーザーを反射させ、飛行時間差を用いてプラズマに入射することで、経路上の二次元の局所値をプラズマに影響を与えず、信頼性高く、しかも同じ分光器を用いて低コストに電子温度・密度測定出来る工夫がなされている。 これはの書籍にも紹介される事となった。。 現在、二次元トムソン散乱電子温度・密度計測を用いる用意が整った。また、電子密度とイオン密度は等しいため、ドップラーで測ったイオン流速と掛け合わせてプラズマ流を測定できる。この計測により、2次元電子・イオン密度計測と電子温度計測を世界に先駆けて開発が出来、FRCのプラズマ流による安定化機構の温度計測を含めた能動的検証への基礎的な準備が整ったことになる。
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Research Products
(2 results)