2011 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ流を用いた逆転磁場配位の能動的安定化の実験的検証
Project/Area Number |
09J06889
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 慎悟 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズマ合体 / 逆転磁場配位 / 電子温度 / プラズマ流 |
Research Abstract |
磁気閉じ込め方式で現在主流のトカマク配位は、経済的性能を表す指標β値(=熱圧力/磁気圧)の限界がβ=0.1程度と経済性に課題がある。対して、異なる磁場構造の逆転磁場配位(以下FRC)はβ≒1と磁場閉じ込め方式の中では最高のβ値を有しており、経済的な炉を造れる可能性がある。また、燃料を現在予定中の重水素とトリチウムから、重水素とヘリウム3を利用することで放射線の発生量を少なく出来る可能性がある。これには、より高温が必要とされるため、FRCはその効率性の高さから有望視されているが、FRCは核融合に必要なプラズマの長時間維持や安定性への解析が未解明であり、その解明に新たな手法が必要とされている。 これまでの研究では、FRCにおける熱・電流機構の解明のため、世界初の電子温度・密度二次元分布計測装置を主導的に開発を行った。この装置はプラズマにレーザーを入射することで、経路上の局所値をプラズマに影響を与えず信頼性高く電子温度・密度測定出来るが、一般的なトムソン散乱計測のようにレーザー入射方向だけでなく、ミラー群によりレーザーを反射させ、飛行時間差を用いることで、同じ分光器を用いた計測を可能とする工夫がなされている。現在は信頼性の高い計測であるトムソン散乱計測において学校研究としては3×3の二次元計測に成功し、精度よく測定することが可能となった。これにより、プラズマ合体時の電子加熱の測定に成功した。 また、本年度は外部コロイダル磁場を用いたものではあるが、ポロイダルコイルのスイングにより整流効果を用いて、新規プラズマを連続で生成できることの実証に成功した。また、図3にその新規球状トカマクプラズマを用いて、現在の球状トカマクプラズマに合体させる連続合体に成功した。この際にトロイダル磁束の増加と電流を増加させ、ポロイダル磁束の減衰を抑えられることが判明した。
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Research Products
(4 results)