2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J06911
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
嶋田 進 Kobe University, 海事科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 洋上風力発電 / メソ気象モデル / WRF / 海上風 / 海洋鉄塔 / 風況 |
Research Abstract |
本研究は、我が国おける洋上風力資源開発に資するため、メソ気象モデルをベースとした高精度な海上風推定手法(目標精度:バイアス±5%)の開発を試みるものである。平成21年度は、1.現場観測値の整理、2.それを用いたメソ気象モデルの計算精度検証及び3.誤差要因の検討を行った。1.については、京都大学白浜海象観測所の海洋鉄塔における過去14ヶ年分の気象・海象データを解析し、対象海域における海上風況特性(年平均風速、月平均風速、風速出現頻度、風配図、風向別平均風速、風向別風力エネルギー密度、風向別大気安定度、月平均気温及び海面水温、乱れ強度)を整理した。これらの結果より、対象海域の風況特性として、(1)年間平均風速は5.0m/s、年々の標準偏差は0.4m/s、(2)年間風力エネルギーの6割以上は冬季に卓越する北西風に起因し、夏季に卓越する海陸風循環による寄与は僅かであること、(3)大気安定度は8割以上が不安定であること及び(4)乱れ強度は陸上からの風に比べて、海上からの風の方が僅かに小さいことが示された。また2.については、海洋鉄塔の観測値を用いてメソ気象モデルWRFの計算精度検証を行ったところ、WRFの海上風計算精度は年間のバイアスは0.8m/s(平均風速比15.2%)、RMS誤差は2.5m/s(46.0%)であり、大きな誤差を含むことが明らかとなった。更に、3.としてこの誤差要因を検討結果、大きな正のバイアスは下面境界条件として与える海面温度の精度、RMS誤差は初期値・境界値として与える客観解析値の精度に関連することが示された。次年度の研究課題として、北海に建設された気象マストFINO1の観測値を用いて、メソ気象モデルの海上での風速鉛直プロファイルの精度検証及びそれの高精度化に取り組む。
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Research Products
(4 results)