2009 Fiscal Year Annual Research Report
形質細胞様樹状細胞株 PMDC05 を用いた樹状細胞の発生・分化機構の解明
Project/Area Number |
09J07002
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡部 紀宏 Niigata University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 形質細胞様樹状細胞 / 骨髄系樹状細胞 / 形質転換 / 腫瘍特異的細胞傷害性T細胞 / 腫瘍抗原 / 抗原提示 / 細胞株 |
Research Abstract |
平成21年度実施した研究は以下の2点である。 1、我々の研究室で樹立した形質細胞様樹状細胞株PMDC05について、pDCからmDCへの形質転換に伴う機能変化について解析する。 血液樹状細胞は大きくpDCとmDCに大別され、それぞれリンパ系、骨髄系より分化するとされている。PMDC05は、機能解析の結果よりpDCとmDCの両方の機能を有することが確認されている。詳細な検討を行なった結果、PMDC05はモノクローナルな状態でありながら、pDC類似分画とmDC類似分画が混在することが確認された。さらに、IL-3等の刺激により、表面形質、遺伝子発現の変化を伴う、pDC類似分画からmDC類似分画への形質転換が起こることが確認されたことから、起源が異なるとされるpDCからmDCへの直接的な形質転換の可能性が示唆された。これらの研究成果は、Leukemia Researchに投稿、掲載予定である。(Leuk Res.2010 Mar 23, in press) 2、PMDC05を抗原提示細胞として用いた腫瘍特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導 体外で増幅させた腫瘍特異的CTLを体内へ戻す養子免疫療法において、腫瘍特異的CTLの増幅・維持に必要な抗原提示細胞を、一定の質で大量に用意することは困難である。強力な抗原提示能を有するPMDC05は、LPSで刺激することにより、抗原提示能を増強させることが可能であり、さらに、WT1ペプチド、同種末梢血CD8陽性T細胞とともに共培養することにより、WT1特異的細胞傷害性T細胞を誘導することが可能であった。細胞株であるPMDC05は、容易に増幅可能であり、なおかつ腫瘍特異的CTL誘導能を有することから、養子免疫療法におけるツールとして有用であると考えられた。これらの研究成果は、第39回日本免疫学会総会、ISEH 38th Annual Scientific Meetingにおいて報告した。今後は、この誘導されたCTLの機能を検討することにより、その特異性を検証する。
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Research Products
(3 results)