2010 Fiscal Year Annual Research Report
形質細胞様樹状細胞株 PMDC05 を用いた樹状細胞の発生・分化機構の解明
Project/Area Number |
09J07002
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡部 紀宏 新潟大学, 医歯学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 形質細胞様樹状細胞 / 骨髄系樹状細胞 / 抗原提示 / 腫瘍特異的細胞傷害性T細胞 / WT1 / 細胞株 |
Research Abstract |
平成22年度は以下の研究を実施した。 ○ PMDC05を抗原提示細胞として用いた、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導 体外で増幅させた腫瘍特異的CTLを体内へ戻す養子免疫療法は、正常細胞を害することなく、腫瘍抗原を有する腫瘍細胞のみを攻撃することから、期待される治療法の一つである。しかしながら、腫瘍特異的CTLの増幅・維持に必要な抗原提示細胞を、一定の質で大量に、しかも継続的に用意することは困難である。PMDC05はHLA-A2、HLA-A24陽性であり、かつ、強力な抗原提示能を有することから、人工的抗原提示細胞としての応用の可能性が考えられた。 PMDC05は、無刺激時においても強力な抗原提示能を有しているが、その抗原提示能を増強させるために、我々はLPSにょって刺激を行った。PMDC05をLPSで刺激することにより、(1)樹状突起の形成、(2)抗原提示分子の発現増強、(3)IL-12p70,TNF-□産生の増強、(4)同種リンパ球に対する抗原提示能の顕著な増強、が認められた。これらの結果から、腫瘍特具的CTL誘導には、LPS-stimulated PMDC05を抗原提示細胞として用いた。 LPS-stimulated PMDC05に、白血病関連抗原であるWT1のペプチドをパルスした後、正常人家梢血から回収したCD8陽性T細胞と共培養することによって、フローサイトメトリーにおいて、WT1テトラマー陽性細胞、すなわち、WT1ペプチドを認識する細胞が確認された。また、腫瘍抗原ではなく、ウイルス抗原として、サイトメガロウイルスのペプチド(CMVpp65)をPMDC05にパルスすることによって、CMVpp65テトラマー陽性細胞が検出された。以上の結果から、腫瘍やウイルス感染の為の養子免疫療法において、抗原援示細胞としてPMDC05は有用であると考えられる。 これらの研究成果は、Leukemia Researchに投稿、掲載された(Leuk Res.20211 Jan 7.[Epub ahead of print])。
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Research Products
(6 results)