2009 Fiscal Year Annual Research Report
生命科学技術の先端的装置をめぐる資源ネットワークに関する研究
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09J07046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石岡 愛子 (日比野 愛子) The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ラボラトリスタディ / 科学社会学 / 先端的装置 / リサーチ・パス |
Research Abstract |
本研究の目的は、科学の実践現場である生命科学実験室への調査を通じて、生命科学技術の研究活動が諸資源とともにどのように構築されていくのか、そのメカニズムを解明することにある。ここでは、生命科学技術の中でも、先端的装置の介在によって新たに出現しつつあるナノバイオロジーの事例に注目している。平成21年度は、協力実験室(国内研究者養成型大学院に所属する生命科学系実験室)を中心に、先端的装置(原子間力顕微鏡、AFM)を用いた科学実践活動の把握に努めた。具体的には、1)装置を用いた実験場面の観察、2)セミナーや研究打ち合わせ場面の観察、3)国内外研究者への聞き取り調査、4)文献資料(学術論文・報告書等)の精査、を行った。装置導入のきっかけ、装置の活用に伴う困難、関わっている共同研究者とその背景、観測される生体試料、生命科学上での意義、等を明らかにした。以上に加え、科学計量学を用いた研究動向のマッピングを行った。PubMedデータベースのキーワード分析からは、ナノバイオを含む生命科学技術の大局的変化の実像を明らかにした。一方、科学研究費データベースについては、ナノバイオ/先端装置に関わる国内全研究課題を抽出し、キーワードクラスタリング等の解析を試みた。当該領域におけるテーマや関与者の布置を可視化した。8月には、ノルウェイ、フィンランドを訪問し、ラボラトリスタディの動向や理論的フレームワークに関する情報収集・意見交換を行うとともに、ナノバイオ研究者への聞き取り調査を行った。21年度の成果として、対象事例の現状と経路を明らかにし、ナノバイオロジーの科学的実践に特有の論点を検討することができた。
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Research Products
(2 results)