2010 Fiscal Year Annual Research Report
動的面不斉を有するケトンの創製とそれを基盤とする新規不斉合成法の開拓
Project/Area Number |
09J07048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 寛子 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 面性キラリテー / 面不斉分子 / ケトン / エノラート / 環歪み |
Research Abstract |
面不斉化合物は中心性不斉や軸性不斉を有するキラル化合物とは異なり,環骨格の歪みによりラセミ化速度が調整可能である.これら面不斉分子の構造とラセミ化の速度の関係を明らかにすると共に,そのラセミ化の速度に応じた反応開発を行うことができれば,新たなキラル化合物としての応用展開が期待される.本研究では,官能基化された面不斉分子の基礎科学的性質の解明と共に,これらをキラルテンプレートとして用いた光学活性化合物の新規合成法の開拓を行うものである.本年度は,(E)-5-シクロノネン-1-オンから変換可能な面不斉エノラートやその等価体,ならびに置換ケトン体を研究対象とし,これらの立体配座や面不斉の安定性について精査すると共に,導入した置換基の効果について,その基本骨格である(E)-シクロノネンや(1Z,5E)-シクロノナジエンを含めて構造有機化学的見地から詳細に検証した.さらに,従来はE-オレフィン部を面不斉の発現部位かつ高活性な反応点として不斉合成反応へと応用展開していたのに対し,本研究ではE-オレフィン部を環配座の固定化因子として利用し,面不斉の発現部位から離れた環骨格上の反応性官能基における立体選択的反応へ展開し,これら中員環面不斉分子のキラルビルディングブロックとしての合成的有用性を明らかにした.
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Research Products
(3 results)