2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 好弘 東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アビジン / ビオチン / マイクロカプセル / 交互累積膜 |
Research Abstract |
本研究では予め調製したカプセルに任意の物質を取り込むことが可能、かつカプセル内から漏出が全くない交互累積膜法によるカプセルの調製法の確立を目的とした。 アビジン-ビオチン相互作用でカプセル内に保持されたビオチン標識試薬は、ビオチン添加により置換され、カプセル外へ放出されると考えられる。前年度までの実験においてアビジンをカプセル膜そのものに固定化したカプセルを調製し、その性質を調べた。その際、アビジンを用いた交互累積膜について詳しく研究する必要性が出てきた。本年度はこのアビジン膜の性質を中心に研究を行った。種々のポリアニオンを用いて様々な交互累積膜の調製条件を検討した。この際、pH、イオン強度などの条件を検討し、分光学的手法及びQCM法などで薄膜の調製について評価した。紫外可視分光法、QCM、AFMなどにより、このアビジン累積膜について単位面積当たりの積層量、表面の荒さ、膜厚などを明かにした。用いるポリアニオンの種類によって膜の表面の形状や膜厚などに大きな違いが見られた。これらのアビジン含有膜へのビオチン修飾化合物の取り込みに成功し、さらにビオチンによる放出が可能であった。ポリアニオンとしてポリスチレンスルホン酸を用いた場合、若干の非特異的な結合が認められた。一方、ポリアニオンとしてポリビニル硫酸を使用した場合は非特異的な結合は見られず、アビジン-ビオチン相互作用のみでビオチン修飾化合物を取り込んでいることが判明した。また、この薄膜を利用したミクロカプセルについて実験を重ね、その結果を論文として公表した。
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Research Products
(2 results)