2010 Fiscal Year Annual Research Report
開発とジェンダーの言説編成と実態に関する研究―インドの女性酪農協同組合を事例に
Project/Area Number |
09J07084
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中村 雪子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | ジェンダーと開発 / 協同組合 / 地域研究 / インド / ラージャスターン |
Research Abstract |
本研究の目的は、開発プログラムとしての「女性酪農協同組合」がインドにおいて成立した言説的編成を歴史的に検証し、さらに、個別具体的な女性酪農協同組合に関わる女性を中心とした諸アクターの諸実践を考察し、「女性酪農協同組合」のイデオロギーの批判的検討とその発展的可能性を探ることである。 本研究の調査地であるインドのラージャスターン州(以下、ラ州)では、2010年4月~8月にかけて、組合組織の選挙が行われた。この選挙は、2002年に新たに施行されたラ州協同組合法2001に基づいて行われた2度目の選挙である。協同組合組織の理念において、選挙は組織の民主性と公正を担保する重要な要素である。本年度は、5年に一度実施される協同組合選挙の全過程を精査することで、「女性酪農協同組合」と「女性」の酪農協同組合組織における法的・制度的位置づけと実践を検討した。具体的には、主に下記3項目を研究した。 A.新しいラ州協同組合法2001の特徴と、旧協同組合法との違い検討し、そのコンテキストを明らかにした。 B.ラ州の酪農協同組合組織における選挙の全過程を明らかにし、そこへの有権者、立候補者としての女性と女性酪農協同組合の参加状況を見ることで、開発プログラムとしての「女性酪農協同組合」を通しての女性の法的・制度的側面における実践を検討した。 C.酪農協同組合選挙に関わる書実践において、どのような背景を持つ女性が「代表性」を獲得し選挙の表舞台に立つのかを検討し、「女性酪農協同組合」という開発スキームが政治性をはらんでいる可能性があることを検討した。
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