2009 Fiscal Year Annual Research Report
開発とジェンダーの言説編成と実態に関する研究―インドの女性酪農協同組合を事例に
Project/Area Number |
09J07084
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中村 雪子 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | ジェンダーと開発 / 協同組合 / 地域研究 / インド / ラージャスターン |
Research Abstract |
本研究の目的は、開発プログラムとしての「女性酪農協同組合」がインドにおいて成立した言説的編成を歴史的に検証し、さらに、個別具体的な女性酪農協同組合に関わる女性を中心とした諸アクターの諸実践を考察し、「女性酪農協同組合」のイデオロギーの批判的検討とその発展的可能性を探ることである。 2009年度は、主に以下の研究を行った。1、インドにおいて女性に焦点をあてた開発プログラムとしての「女性酪農協同組合」が成立した言説的編成を、酪農開発と女性に関する主要な資料を言説分析することで検討した。すでに20年の歴史がある「女性酪農協同組合」を歴史的視点から検討することは、経済状況の変化が著しい現代インド農村において「女性酪農協同組合」をめぐる女性の実践を考察する上で重要である。2、各種研究会に参加し、インドにおける女性酪農協同組合の枠組みを検討した。主に、以下二つの団体の活動に参加した。(1)国際ジェンダー学会「開発とジェンダー」分科会の活動に参加し「社会保護」概念からインドの女性酪農協同組合のフレームワークの検討を行った。(2)国際NGOヒューマン・ライツ・ナウ「女性に対する暴力」プロジェクトへの参加を通して、法制度の面から女性酪農協同組合を検討する視角を身に付けた。3、これまでの現地、調査で得たデータ(主に調査票を使用した170名の女性からの聞き取り調査)の整理を進めた。 2010年度は、1、2、3の内容をふまえた長期の現地調査を予定している。
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