2009 Fiscal Year Annual Research Report
すばる望遠鏡次世代装置超広視野カメラHyper Suprime-Camの開発
Project/Area Number |
09J07156
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
諸隈 智貴 National Astronomical Observatory of Japan, 光赤外研究部, 特別研究員PD
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Keywords | すばる望遠鏡 / 広視野撮像 / Hyper Suprime-Cam |
Research Abstract |
ハワイ島マウナケア山頂の次世代広視野撮像装置すばる望遠鏡Hyper Suprime-Cam(以下、HSC)の主鏡面形状測定装置(シャックハルトマン装置、以下、SH装置)のプロトタイプ試作品の評価を行った。HSCは、現行主焦点広視野カメラSuprime-Camの視野を約10倍にした超広視野カメラであり、それゆえに、様々な空間的・重量的制限が課されている。SH装置も同様で、フィルターとして挿入することにしているが、平成21年度は、SH装置プロトタイプ試作品の光学的評価とともに、これをフィルターとして搭載するための周辺環境(PCからのカメラ制御等)を行ってきた。また、フィルター交換機構の位置再現性が非常に重要なため、その仕様に対する評価も行った。従来のShテストとは異なる(原理は同じ)方式ではあるが、おおむね予定通りの性能が得られていることがわかった。その後、本番搭載用のSHフィルターの製作を行い、今後、性能試験評価、デュワー、フィルター交換機構等との組み合わせ試験へと進む。さらに、HSCのSH装置、望遠鏡自動追尾(オートガイド)装置等を含む計算機通信プロトコルの仕様策定・プログラム開発を含む計算機環境の整備を行った。さらに、2001年以降、東京大学、ローレンスバークレー国立研究所らの研究者と協力して行ってきた、ダークエネルギーの性質解明のための遠方Ia型超新星探査において、すばる望遠鏡の低分散分光装置FOCASを用いて行った分光的な同定のまとめをPublications of the Astronomical Society of Japanに論文"Subaru FOCAS Spectroscopic Observations of High-Redshift Supernova"を出版した。これを含めた、現存する広視野撮像装置を用いた超新星・活動銀河核の観測的研究を進めるとともに、HSCを用いたサイエンスの検討を行い、様々な学会や研究会等で発表した。
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Research Products
(7 results)