2009 Fiscal Year Annual Research Report
水分供給パターンと栄養塩量の変化が植物の生産および群集構造に与える影響の解析
Project/Area Number |
09J07211
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
萩原 陽介 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 植物群集 / 環境不均質性 / 種間競争 / 給水パターン / 栄養塩量 / 密度 |
Research Abstract |
給水パターンと栄養塩量の相互作用が草本植物の群集構造決定に果たす機能の解明のため、申請計画上の課題1.植物個体群に与える影響の種間差異、課題2.植物種間競争に与える影響を検討した。 課題1では、給水パターン、栄養塩量、密度、種の4要因を設定する栽培実験をおこなった。ホソムギ、ギョウギシバ、シロツメクサ、ヨモギを材料とし、要因に対する反応を比較した。その結果、高頻度に給水する処理で、低頻度に給水する処理よりも、個体群重量が増加する反応が種間で共通することが明らかになった。その一方で、ホソムギでは富栄養条件下で、シロツメクサは高密度条件下で給水パターンの影響が大きく、給水パターンに対する反応の大きさや他の要因(栄養塩量・密度)との相互作用に対する反応には種間で差異があることが示唆された。現在、結果を英語論文としてまとめ、助成により英文校閲を受け投稿準備中である。 課題2では、給水パターン、栄養塩量、密度の3要因を設定する栽培実験をおこない、ホソムギーシロツメクサの種間競争に与える影響を検討した。科研費によって特注した、実験処理に適した栽培容器を用いて実験をおこなった。その結果、ホソムギ-シロツメクサの種間競争では、高頻度に給水する処理で、低頻度に給水する処理よりも、競争関係の優劣の差が小さくなることが示唆された。給水パターンに対する反応の種間差によって、種間競争関係に給水パターンが影響しうることが明らかになり、給水パターンが複数の種間競争の結果である群集構造に影響する可能性が示唆された。この結果は、2009年度の生態学会において発表し、現在英語論文作成のために解析をおこなっている。
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Research Products
(3 results)