2009 Fiscal Year Annual Research Report
トリメトキシシリルエノールエーテルを活用した第四級不斉炭素構築法の開発
Project/Area Number |
09J07253
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
一番ケ瀬 友紀 Kumamoto University, 大学院・薬学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 第四級不斉炭素 / 塩基触媒反応 / シリルエノールエーテル / アルドール反応 / アルドール反応 |
Research Abstract |
1.第四級不斉炭素を構築するアルドール反応において添加剤の検討を行った 立体的に混み合っており合成が非常に困難であった第四級不斉炭素を構築する触媒的不斉アルドール反応において、良好な化学収率かつ立体選択性でanti付加体が得られることを以前報告している。そこで、添加剤の有無により逆のジアステレオマーであるsyn体が合成できないか検討を行ったところ、水を添加剤として用いた場合にsyn,anti比が逆転し、良好な収率かつ立体選択性でsyn付加体が得られた。このことにより、同じ基質・触媒から、水の有無という僅かな違いのみでsyn,anti両ジアステレオマーを作り分けることが可能となった。 2.トリメトキシシリルエノールエーテルを用いた新規反応を発見した 前述の第四級不斉炭素を構築するアルドール反応において、イソブチロフエノンより合成したトリメトキシシリルエノールエーテルを用いた際に、副生成物として1,3-ジオールのモノエステルの生成が確認された。この反応はアルドール-Tishchenko反応とよばれる反応であり、基質・条件により高収率かつ高立体選択的にエステル体が得られることがわかった。本反応を確立できれば第四級不斉炭素を含む連続した3つの不斉炭素中心を一気に構築することが可能となることや、1,3-ジオールの構造は天然物に多く含まれる構造であることから、天然物合成への適用が期待される。以後は本反応の条件検討や基質一般性の確認等を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)