2011 Fiscal Year Annual Research Report
トリメトキシシリルエノールエーテルを活用した第四級不斉炭素構築法の開発
Project/Area Number |
09J07253
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
一番ヶ瀬 友紀 熊本大学, 大学院・薬学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 炭素-炭素結合形成反応 / アルドール反応 / 塩基触媒反応 / 還元反応 / Tishchenko反応 / Michael付加反応 |
Research Abstract |
1.トリメトキシシリルエノールエーテルを用いたアルドール反応の反応機構の考察 昨年度行なっていた、トリメトキシシリルエノールエーテルを用いたアルドール反応による第四級不斉炭素の構築において、生成物の立体配置の決定などを行なうことで、不斉発現がどのように制御されているかを考察した。 2.リチウムビナフトラートを触媒とした直接的Michael付加反応の開発 昨年度、リチウムビナフトラートを触媒とする直接的アルドール-Tishchenko反応を開発したが、同様の方法で系中にてマロン酸エステルのリチウムエノラートを発生させて、α,β-不飽和カルボニル化合物と反応させることで、高収率かつ高立体選択的にMichael付加体が得られることを見出した。本反応はこれまでの反応とは異なり詑扮ブチルメチルエーテルを溶媒として用いることで立体選択性や反応速度の大幅な向上が見られることが特徴である。 3.アキラルなβ-ヒドロキシケトンのTishchenko反応による不斉還元法の開発 昨年報告したアルドール-Tishchehko反応において、リチウムビナフトールにより立体選択性が発現していることが分かったため、アキラルなβ-ヒドロキシケトンとアルデヒドをリチウムビナフトラートで反応させたところ、高立体選択的にカルボニル基を還元できることが分かった。そこで、様々な基質を用いて反応を行なった。本反応はアキラルなβ-ヒドロキシケトンを還元し、1,3-ジオールが得られる反応であるため、天然物合成などへの適用が期待できる。
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Research Products
(3 results)