2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07274
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
嶽村 智子 Nara Women's University, 人間文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 斜積拡散過程 / 極限定理 / ディリクレ形式 / ジャンプ過程 |
Research Abstract |
多様なモデルに対応する確率過程の構築を目指し、その性質を研究することを目的とし、一次元拡散過程と球面上のブラウン運動の斜積を考察した。具体的には次のような条件のもと極限定理を得ることができた。斜積拡散過程のクラスの確率過程を特徴付ける2つの測度(拡散過程の速度測度と時間変更を行う汎関数の測度)と斜積を構成する一次元拡散過程の列を考え、それに対応する斜積拡散過程の時間変更確率過程の列について極限定理を得ることができた。このような極限定理を考えることで連続な標本路をもつような過程から連続でない過程への収束をみることができる。ここでいう連続でない過程とは、球の内部を運動し、境界である球面でジャンプや消滅を起こすものをいう。また、これらの過程がフェラー性をもつ事も示した。これらは、本研究の目的であった極限定理を更に一般的な過程のもと得た結果である。この研究結果より、球面との斜積に限らずコンパクト多様体でも同様な結果が推測され、更に多様なモデルに対応する確率過程を考察することができるようになる。 また、極限過程の具体的な例についてもいくつか得る事でき、力学モデルの分野において応用が期待される。 この他、調和変換と呼ばれる場に依存する確率過程の変換についても結果を得ることができた。一次元拡散過程の境界での状態が調和変換により、どのように変化するか、また調和変換による再帰性について考察した。これらは、多様なモデルを考察する上で重要な役割をもつと予想される。 これらの結果を4本の論文にまとめ1本は掲載され1本は掲載予定であり、2本は投稿準備中である。 日本数学会年会においてもこの結果について講演を行った。
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Research Products
(5 results)