2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子ネックレスのスライディング挙動と環動材料の動的力学物性の解明
Project/Area Number |
09J07290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞弓 皓一 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超分子 / ポリロタキサン / シクロデキストリン / ポリエチレングリコール / 小角中性子散乱法 / 中性子スピンエコー法 / コントラスト変調法 |
Research Abstract |
ポリロタキサンは、線状高分子が複数の環状分子を貫いたネックレス状の超分子複合体である。ポリロタキサンの環状分子間を化学架橋すると、8の字型の架橋点によって線状高分子鎖がつながった高分子ネットワーク(環動ゲル)ができる。筆者は、ポリロタキサンにおける環状分子および線状高分子のスライディング挙動と、その分子レベルでの運動性が生み出す環動ゲルのマクロな力学物性との相関を調べることを目的に研究を行っている。平成21年度は主に、ポリロタキサンの分子レベルでの静的・動的物性をコントラスト変調中性子散乱法によって調べた。コントラスト変調法を適用することでポリロタキサン中の環状分子および線状高分子の構造情報を分離して得ることができる。コントラスト変調小角中性子散乱実験の結果、ポリロタキサン中の線状高分子は環状分子の包接によってより剛直な形態をとっており、また環状分子は線状高分子上にランダムに分散していることが分かった。また、ポリロタキサン溶液のコントラスト変調中性子スピンエコー実験によって、線状高分子が環状分子をすり抜けるスライド運動はnsの時間スケールよりは遅く、μsあるいはmsのオーダーであることが分かった。以上の研究は、超分子複合体の分子レベルでの物性をコントラスト変調中性子散乱法により明らかにする初めての試みであり、その結果ポリロタキサンを用いたナノ材料を設計する上で有意義な情報を得ることができた。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] Structure and Dynamics of Cyclic Molecules Threaded into a Linear Polymer Cham2009
Author(s)
Koichi Mayumi, Hitoshi Endo, Michihiro Nagao, Hideaki Yokoyama, Michael Monkenbusch, Jurgen Allegaier, Vitaliy Pipich, Olaf Holderer, Dieter Richter, Mitsuhiro Shibayama, Kohzo Ito
Organizer
SAS2009
Place of Presentation
Oxford, UK
Year and Date
20090913-20090918
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