2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07307
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前廣 清香 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニワトリ(鳥類) / 脳 / Steroid factor 1 (SF-1) / 性ステロイドホルモン / 生殖腺 / 性分化 / 発生期 / 形態形成 |
Research Abstract |
本研究は、性分化や形態形成に重要な役割を担うことが知られるSteroidogenic factor 1 (SF-1)という転写因子を中心とした分子生物学的・組織学的解析を通じて、発生期の脳の性分化における生殖腺との関わりを明らかにすることを目的としている。 実験動物には前年度同様ニワトリを用いた。鳥類は過去の知見より生殖腺の性に非依存的な脳の性分化機構の存在が示唆されている。そこで前年度は生殖腺に性差が現れる前の時期である発生初期を中心として、発生初期(3-6.5日胚)の脳におけるSF-1の発現をRT-PCR法やin situ hybridization法を用いて解析し、その発現部位が間脳の腹側に限局することを明らかにした。 このように発生の早い時期から脳での明瞭な発現が観察されたのは初めてのことであり、この結果を受けて本年度はSF-1mRNAの発現がその後、後期にわたってどのような発現分布を示すのかをin situ hybridization法を用いて解析した。あわせてSF-1の影響を強く受けることが示唆される性ステロイドホルモン受容体の一種ERαの発現解析も行った。これらの発現部位を明確にすることで発生期の脳におけるSF-1の役割を考察することが可能となり、本研究の目的により近づくことが期待できる。 また、SF-1発現部位の形成過程として細胞の増殖と移動を検出するために行ったBrdUを用いた実験では、投与濃度を検討することで、より長時間の細胞移動を観察することが可能となった。 さらにSF-1関連因子として、性ステロイドホルモン情報伝達系に関わるものやSF-1と共合して下流の遺伝子発現に関わるものなど新たに数因子を選定し、RT-PCR法を用いた発現解析を行った。その結果、脳で数因子の発現が確認されたため、これらがSF-1と関連し発生期の脳形成に重要な役割を担っている可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)