2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管の力学的特性と構造を再現したバイオモデリングの開発
Project/Area Number |
09J07324
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小助川 博之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリビニルアルコールハイドゲル / 血管バイオモデル / Dip-coating法 / 血管内治療 / ステント / トライボロジー / 伝達関数 / コンプライアンス |
Research Abstract |
当該年度は、主に以下の3項目について研究を進めた。 1.PVA-H血管バイオモデリングの壁厚制御 Dip-coating法を利用することで基板に厚さ20-50μm程度で壁厚を制御できることを明らかにした。この際、coatingに用いるPVA溶液の粘度と壁厚に相関性が見られたこと、Dipping回数に対して線形的に壁厚が増大することから、バイオモデリングの壁厚を制御するためのシステム開発に極めて有用な知見を得たものと考えられる。 2.PVA-Hと血管内治療用でバイスの摩擦特性に関する研究 PVA-Hとステントに用いられる合金球の間に働く摩擦特性の解明に取り組んだ。Ball-on-disk試験により、PVA-Hとステント合金の間には、両者の間に働く相対速度と抗力の違いによって"Elastic friction"と"Hydrodynamic lubrication"と呼ばれる異なる摩擦特性領域が存在することを突き止めた。これは実形状ステントの摩擦特性を理解する上で重要な情報となる。 3.PVA-H血管バイオモデリングの挙動の評価 チューブ形状のPVA-Hバイオモデリングを作製し、拍動流を与えてその壁や内圧の挙動を観測した。コンプライアンスは血管の低血圧領域におけるものと同様の値を示すに留まったが、拍動の周波数によって圧力の伝達関数が変化し、その変化率は従来のバイオモデリングの材料よりも血管に近似するものであることが分かった。
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Research Products
(8 results)