2011 Fiscal Year Annual Research Report
図的推論を含む論理推論の認知特性に関する論理学研究
Project/Area Number |
09J07357
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 有理 慶應義塾大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 図的推論 / 論理的推論 / 外的表象 / 認知科学 / 論理学 / fMRI / 脳機能画像 |
Research Abstract |
本研究は、演繹的推論における図形の有効性、特にEuler図は量化文から成る三段論法推論においてどのように効果的であるのか、またなぜそのような特定の図形表現が有効性を持つのかという問いに答えることを目的とした。以上の研究により、哲学や認知科学の問題設定を出発点としながら、図形を用いた推論の具体的な現象を詳細に分析する一方、実際に形式的理論構築に携わることを通して、認知科学・論理学双方との統合的研究から得られる新たな知見を獲得することを目指した。より具体的には、量化文から成る三段論法推論に関して、通常の言語的表現にまる推論系と、さらにEuler図やVenn図を用いた推論系について、証明論・自然言語意味論に基づく分析、実験心理学・脳科学の手法による検証を行った。 最終年度である本年は、Euler図と同様の構造を持つ線図の有効性を検討することを通して、三段論法推論とEuler図推論はともに関係構造に基づく推論として分析することが可能であり、そうした対応(模倣)が、三段論法推論におけるEuler 図の有効性を説明に重要な役割を果たすことを示した。研究成果は、2011年Cognitive Science Society年次大会、2012年Diagrams国際会議に査読付き国際会議論文として、また学内紀要の英語論文としてまとめた。さらに以上の研究成果をまとめ、英語学術雑誌に論文投稿を準備中であり、来年度前期中には投稿可能な見込みである。また、これまで進めてきた図的推論に関する機能的MRIを用いた研究を本年度とりまとめ終えた。研究成果は、本年度の国内会議において途中報告した上で、英語学術雑誌への論文投稿を現在進めている。
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Research Products
(8 results)