2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖脂質欠損マウスで強発現する遺伝子産物の神経系における新規機能の解析
Project/Area Number |
09J07376
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大川 祐樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 糖脂質 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
糖脂質合成遺伝子であるα2,8-SiaTとβ1,4-GalNAcTをダブルノックアウトしたGM3 onlyマウスの中枢神経系において強発現する2つの遺伝子、S3-12とWisp2の機能解析を行った。 S3-12について ・神経系における発現細胞を免疫組織染色法よりミクリグリアと同定した。 ・マウスミクログリア細胞株であるMG5細胞に、GFPタグ付きのS3-12タンパク質を強制発現し、S3-12タンパク質のリソソームへの局在を観察した。またPercollを用いた密度勾配遠心法によりリソソーム分画を回収し、ウエスタンブロット法にてS3-12タンパク質のリソソームへの局在を確認した。 ・MG5細胞に活性化刺激(LPSやlFN-Yを添加)を与えることによる、S3-12遺伝子の発現誘導をqRT-PCR法で観察した。 ・蛍光標識したシリカビーズをMG5細胞に貧食させた際のGFPタグ付きS3-12タンパク質の挙動をタイムラプス観察した。貧食されたビーズとS3-12シグナルが融合する様子を観察した。 Wisp2について ・神経系における発現細胞を免疫組織染色法により神経細胞と同定した。 ・Wisp2は分泌タンパク質である。バキュロウイルスを用いてWisp2組換えタンパク質を精製し、Neuro2a細胞(マウス神経芽腫細胞)に添加したところ、Aktの有意なリン酸化レベルの上昇を観察し、それに伴う神経突起伸長の亢進を観察した。 ・Wisp2の一次構造より、その受容体はインテグリンであると予測した。抗インテグリン抗体を用いた免疫沈降法より、インテグリンとWisp2が共沈されることを明らかにした。 ・Neuro2a細胞におけるWisp2強制発現株はコントロール株に比べ、過酸化水素に対する抗アポトーシス耐性を有することを、MTT assay、DNA ladder formationで観察した。
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Research Products
(7 results)