2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖脂質欠損マウスで強発現する遺伝子産物の神経系における新規機能の解析
Project/Area Number |
09J07376
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大川 祐樹 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 糖脂質 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、α2,8-SiaTとβ1,4-GalNAcTをダブルノックアウトしたGM3-onlyマウスの中枢神経系において強発現する2つの遺伝子、S3-12とWisp2について解析を進めた。 S3-12について ・GM3-onlyマウスでは加齢に伴う神経変性がみられることから、アポトーシスが過剰に引き起こされていると推測し、週齢を追った小脳のcDNAサンプルを用いてqRT-PCRを行い、Fas、Fas-Lの遺伝子発現レベルを解析した。結果、GM3-onlyマウスではWTマウスに比べ、Fasの発現レベルが有意に上昇していた。 ・小脳の凍結切片を作製し、TUNEL法にてアポトーシス細胞を検出したところ、GM3-onlyマウスにおいて多くのアポトーシス細胞が観察された。 ・マウスミクログリア細胞株MG5に発現ベクターを導入してS3-12を過剰発現させ、Phagocytosis assayやBacterial assayを行ったところ、シリカビーズの貪食能や大腸菌の消化能力の亢進がみられた。 ・新生マウスの脳より初代培養ミクログリアを樹立し、免疫蛍光染色法よりS3-12のリソソームへの局在を、またqRT-PCR法よりLPS添加に基づくS3-12の発現上昇を観察した。 Wisp2について ・Wisp2を安定発現させたマウス神経芽腫細胞株Neuro2aでは、Aktのリン酸化レベルが有意に上昇しており、過酸化水素に対するアポトーシスが抑制された(MTT assayにより検出)。PI3KやAktの特異的な阻害剤であるLY294002やAkt-I-1/2存在化においては、Wisp2の過剰発現によるアポトーシス耐性がみられなくなることを観察した。 ・Neuro2a細胞においてWisp2は、Integrin-Aktシグナルを介してNeurite-outgrowthを促進し、また抗アポトーシス因子として働くことを明らかにして、論文として報告した.
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Research Products
(7 results)