2010 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンリモデリング因子Brahmaのニューロン成熟における機能の解析
Project/Area Number |
09J07400
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大城 洋明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | クロマチン / Brahma / ニューロン成熟 / HP1γ |
Research Abstract |
本研究では、大脳組織切片の観察から、ニューロンの成熟過程において、ヘテロクロマチン領域が核内で大きく変化していること示唆する結果を得た。そこで、その変化に関与する分子の同定、機能解析を行った。まず、in vitro初代培養系のニューロンにおいて、成熟に従ってHP1γの発現量が増加することを見いだした。加えて、生体内においても、HP1γのタンパク質が、ニューロンが成熟する皮質板において高発現しているという結果を得た。また、HP1γの役割を検討するにあたり、当研究室で用いられていなかったニューロンの成熟を評価する系の確立から行った。何を指標とするか、その指標の定量方法などを検討し、その系を確立させるに至った。そして、in vitro初代培養系のニューロンにおいて、HP1γの過剰発現、ノックダウンにより、それぞれ、神経突起の発達が促進される、抑制されることを示唆する結果を得た。また、生体内においてもHP1γノックダウンにより、脳梁の交連軸索の伸長が抑制されることを示唆する結果を得た。さらに、予備的ではあるが、HP1γがニューロンのsubtypeと何らかの関わりを持つ可能性を示唆する結果を得ている。これは、ニューロンの成熟過程において、HP1γがニューロンのsubtype別に異なる遺伝子群の調節を行っている可能性が考えられ、非常に興味深い。また、KOマウスを作成することにより、HP1γの更なる機能解析が進むことが期待される。
|
Research Products
(3 results)