2009 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート造建築外装部材の戦略的メンテナンス最適化システム
Project/Area Number |
09J07425
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 佑眞 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 外装塗料 / 中性化 / 溶解-拡散理論 / 劣化 / 拡散係数 / 拡散セル / 紫外線 |
Research Abstract |
本研究ではまず、RC造建築物の外装塗料中の二酸化炭素移動を塗膜の拡散試験を用いて評価し、中性化抑制モデルを導いた。また、低温での温度変化によるRC造建築物の外装塗料の劣化挙動を検証するために促進凍結融解試験及び促進中性化試験を行い、凍結融解作用を受けた後の中性化抑制効果が低下する傾向を得た。次に、高温においても外装塗料の劣化により中性化抑制効果が低下すると判断し、劣化した塗膜の拡散試験を行い、中性化抑制モデルを検証した。また、外装塗料を施したモルタル、コンクリート、塗膜試験体を対象としてメタルハライド式促進耐候性試験を行い、RC造建築物の外装塗料の躯体保護性能及び視覚性能の低下に関する研究を行った。まず、躯体保護性能の評価として紫外線による外装塗料の劣化を進行させた後、各劣化サイクルによる促進中性化試験を行い、紫外線劣化を受けた外装塗料の中性化抑制効果を導いた。視覚性能の低下は色差、光沢度を各サイクル毎に測定し、評価を行った。最終的に各地域によって変わる温度環境、紫外線による建築物の外装塗料の劣化を考慮したRC造建築物の外装塗料の中性化抑制効果モデルを提案し、有限要素解析を行った。 本研究では実環境で紫外線、凍結融解作用による劣化を受ける建築物の外装塗料に対して促進試験を定量的に行い、促進試験と実環境の関係を明らかにした。 なお、これまでの研究は実環境での劣化を実験的に様々な促進試験を行い、また、実際複合的に起きている実環境での劣化を個別的劣化と考えている結果となっており、その結果を用いて持続可能なRC造建築物の耐久設計をすることができなかった。しかし、本研究の結果により様々な劣化に対し、RC造建築物の外装塗料の挙動を明らかになり、補修や補強の時期を正確に決めることが可能になると考えられる。また、RC造建築物のLCCも計画の段階から低減することができると判断される。
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Research Products
(3 results)