2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07428
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳 青 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非線型方程式 / 粘性解 / 平均曲率流 / レベルセット法 / 漸近挙動 / Hamilton-Jacobi方程式 |
Research Abstract |
本研究の目的は完全非線形方程式の境界値問題です。平成21年度は、主に三つの研究に関する成果をあげました。 1.平均曲率方程式のレベル集合のFattening現象と楕円型Dirichlet問題における解の一意性。この問題は解析的にも幾何的にも重要であり、退化楕円型方程式のwellposedness問題として大変価値があります。しかし、この問題は今まで一般的に未解決です。本研究は微分ゲームなどの新しい手法で部分的に解決できました。特に、ゲームでの解釈により、従来のFattening現象の証明を簡単にすることができました。一方、対応したDirichlet問題の解の一意性についても、ゲームでの考察を利用し、Fattening現象との関連が分かりました。 2.非強圧的なHamiltonianを持つHamilton-Jacobi方程式の解の漸近挙動。結晶成長を定量的に解析するため、Hamilton-Jacobi方程式の解の長時間挙動を研究することになりました。ところが、物理の法則から導かれた方程式の主要部は強圧性がないので、従来の方法は直接適用できません。新たな粘性解を定義し、特異Neumann境界条件つき定常問題を解き、発展方程式の解の収束定理が得られました。しかも、得られた結論を利用し、対応した物理の現象を説明することができました。 3.ビリヤードによるNeumann境界条件。ビリヤードの軌道を使い、一階線形方程式の解を明示的に作りました。粘性解の一般論を用い、その解の連続性を証明することにより、ビリヤード軌道の安定性が示せました。
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Research Products
(5 results)