2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07432
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楢崎 友子 The University of Tokyo, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 海洋生物学 / ウミガメ / バイオロギング |
Research Abstract |
従来ウミガメ類の研究は主に産卵場周辺で行われており、産卵場に上陸しない亜成体やオスの情報は著しく不足しているのが現状である。そこで本研究では、産卵場から遠く離れた三陸沿岸域においてウミガメ類の来遊状況のモニタリングおよびデータロガーを用いた行動調査を行った。 三陸沿岸域に来遊する個体のモニタリング 三陸沿岸域(岩手県大槌湾周辺約30km圏内)に設置された定置網を対象に、混獲状況の調査を実施した。その結果、6月から9月にかけてアカウミガメ56個体及びアオウミガメ7個体を収集し、標識放流を行った。また、アカウミガメ3個体は以前に当海域で標識放流したものであった。これらのことから、当海域は亜成体および成体サイズのアカウミガメが定期的に来遊する夏季の摂餌場であることが示唆された。本結果は第20回日本ウミガメ会議においてポスター発表した。 データロガーを用いた行動調査 直接観察が困難な動物の行動を調べる手法として、データロガーは非常に有効である。そこで本研究では、加速度地磁気ロガーを用いて、ウミガメ類をはじめとした海棲動物の三次元移動経路に再現する手法を確立し、その手法に関する論文を公表した。さらに、解析プログラムを作成し、インターネット上で公開した。また、加速度地磁気ロガーと同時にビデオロガーを用いてアカウミガメの定位および摂餌行動に関する調査を実施した。その結果、海中移動を行うアカウミガメが水面付近で進行方向を修正していることを発見し、論文として公表した。
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Research Products
(8 results)