2009 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー誘導を制御する新規Nod-like receptorの同定とその機能解析
Project/Area Number |
09J07437
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野澤 孝志 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | オートファジー / A群レンサ球菌 / Nod-like receptor |
Research Abstract |
当該年度においては、A群レンサ球菌感染に対するオートファジーの誘導に重要な新規Nod-like reoeptorとして同定したNLRP4、NLRP10の宿主相互作用因子を同定し、その機能を解明することで、オートファジー誘導機構の分子メカニズムの解明を目指した。まず酵母ツーハイブリットシステムにより、NLRP4/NLRP10相互作用因子候補のスクリーニングを行った。得られた候補タンパク質については、免疫沈降法による相互作用解析や共焦点レーザー顕微鏡による細胞内局在解析を行うことで、オートファジーに関与するNLRP4/NLRP10相互作用因子としてRho dissociation inhibitor α(RhoGDIα)を同定した。さらに、このRhoGDIαのノックダウン細胞を用いてA群レンサ球菌感染に対するオートファジーの詳細を解析し、RhoGDIαは迅速かつ効率的にA群レンサ球菌を分解するオートファジーに必須な因子であることを明らかとした。そしてその分子メカニズムについては、RhoGDIαが複数のRho GTPasesおよびRab GTPasesのLC3 vacuolesへの移行に関与することで、感染後速やかに巨大なLC3 vacudesを構築することを可能としていることが示唆された。また、こうしたRhoGDIαによるオートファジー誘導制御機構は、栄養飢餓時のオートファジーには関与しないが、他の細菌に対するオートファジーには関与する可能性が示唆された。以上の成果は、細菌感染時特異的なオートファジー誘導機構について多くの知見を与え、今後のオートファジー研究の発展に大きく貢献することが期待される。
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Research Products
(10 results)