2010 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー誘導を制御する新規Nod-like receptorの同定とその機能解析
Project/Area Number |
09J07437
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野澤 孝志 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | オートファジー / A群レンサ球菌 / Nod-like receptor |
Research Abstract |
当該年度において、A群レンサ球菌感染誘導オートファジーに関与するRab GTPaseの同定とその機能解析を試みた。調べた7つのRabタンパク質の内、Rab9AとRab23の2つのRabタンパク質がA群レンサ球菌を取り囲むLC3陽性膜(autophagic vacuoles)に局在していた。この局在を精査した結果Rab9Aは隔離膜が融合した後のautophagic vacuoles(オートファゴソーム)にリクルートされ、Rab23は隔離膜の段階からautophagic vacuolesに局在することが明らかとなった。また、Rab9AおよびRab23をノックダウンした細胞ではコントロール細胞に比べてオートファゴソームの形成およびその成長が抑制され、細胞内細菌の分解も抑制された。Rab9AおよびRab23のドミナントネガティブ体(恒常的GDP結合体)を強発現した細胞においても同様の影響が見られた。一方、Rab9AとRab23は栄養飢餓誘導時のオートファゴソームへは局在せず、Rab9A、Rab23のノックダウン細胞においてもコントロール細胞と同程度に栄養飢餓誘導オートファジーが観察された。以上の結果から、Rab9AとRab23は、細菌感染時のオートファジーに特異的に関与し、細菌を取り囲むオートファゴソームの形成およびその成長を制御するRabタンパク質であることが示唆された。以上の成果は、細菌感染時特異的なオートファジー誘導機構について多くの知見を与え、今後のオートファジー研究の発展に大きく貢献することが期待される。
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Research Products
(5 results)