2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07458
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
王 棟 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ピレスロイド系殺虫剤 / trans-ペルメトリン / cis-ペルメトリン / 3-フェノキシ安息香酸 / PPARα / 代謝 / 次世代影響 / 生殖器毒性 |
Research Abstract |
子どもの殺虫剤曝露と健康影響を調べる予備実験として、体内におけるペルメトリン(PM)の毒性とperoxisome proliferator-activated receptor α (PPARα)の活性化との関連について調べた。代謝速度が異なるcis-またはtrans-PMを野生型マウス、PPARαノックアウトマウスおよびヒト型PPARαノックインマウスに6週間経口投与したところ、tans-PM投与により、野生型マウスにおいては体重当りの肝重量の増加、前立腺と精嚢の総重量および体重当りの前立腺と精嚢の総重量の減少、ヒト型PPARαマウスにおいては前立腺と精嚢の総重量および体重当りの前立腺と精嚢の総重量の減少がみられた。また、野生型およびヒト型PPARαマウスにおいて、PPARαの標的遺伝子であるMCADおよびVLCADのmRNAレベルはtrans-PM投与により有意に増加した。さらにtrans-PM投与によるこれらの遺伝子のmRNAレベルはcis-PM投与より有意に高かった。一方、PPARαノックアウトマウスにおいてはこれらの変化がみられなかった。PMの尿中代謝物である3-フェノキシ安息香酸(3PBA)はcis型よりtrans型で有意に高く排泄されることから、3PBAがPPARαの活性を誘導しているかもしれない。PPARαおよび他の標的遺伝子発現を引き続き測定すると共に、PMが引き起こす毒性とPPARαの活性化との関連を明らかにする必要がある。また、野生型マウスの妊娠期におけるcis-PM曝露が母マウスへの生殖毒性および仔マウスの生殖器や脳の発達への影響について検討する。
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Research Products
(4 results)