2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07458
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
王 棟 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ピレスロイド系殺虫剤 / cis-ペルメトリン / 妊娠期曝露 / 次世代影響 / 生殖毒性 / テストステロン |
Research Abstract |
ピレスロイド系殺虫剤ペルメトリンのマウス妊娠期曝露による仔への影響について調べた。母マウスに0,5,35及び70mg/kg/dayのcis-ペルメトリンを妊娠1日目から妊娠18日目まで強制経口投与し、出産後21日目に母マウス及び仔マウスを解剖した。妊娠期における母マウスの体重及び摂餌量はcis-ペルメトリン投与による影響がみられなかった。出産仔数及び出産後21日目までの生存率はcis-ペルメトリン投与による影響がみられなかった。出産後21日目における母マウスの体重、肝重量及び着床数はcis-ペルメトリン投与による影響がみられなかった。また、雌雄それぞれの仔マウスの体重及び臓器重量はcis-ペルメトリン投与による影響がみられなかった。一方、cis-ペルメトリン投与により、雄仔の血漿中テストステロン濃度が用量非依存的に低下した。既報によれば、ピレスロイド系殺虫剤フェンバレレートを妊娠期曝露した場合、出産後80日目の雄仔の血漿中テストステロン濃度は不可逆的に低下するのに対して、授乳期曝露した出産後80日目の雄仔のそれは可逆的であった。本研究でテストステロン濃度の低下原因として、胎仔期に受けた曝露影響が不可逆性的に現れた場合もしくは授乳期に母乳中の残留ペルメトリンによる場合が考えられるため、更なる検討が必要である。また、マウスの妊娠期におけるcis-ペルメトリン曝露が雄性ホルモンへの影響が考えられたことから、雌性ホルモンへの影響についても検討する必要がある。
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