2011 Fiscal Year Annual Research Report
三次元モデルの構築と利用のためのインタフェースの研究
Project/Area Number |
09J07461
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 健志 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 3次元モデリング / ボリュームグラフィックス / ボリュームデータ / ソリッドテクスチャ |
Research Abstract |
昨年度Euro graphics 2011に投稿し採択された、インタラクティブな3Dサーフェス形状編集のためのクローンブラシインタフェースに関する研究について、英国Llandudnoにて口頭発表を行った。なお当該論文はEuro graphics 2011の論文の中でも特に高い評価を受け、FMXというヨーロッパのCG産業向けのカンファレンスにおいて、他のいくつかの論文と共に、招待講演という形で紹介された。 その後、これまで一貫して継続してきた内部構造のモデリングに関する研究をさらに進めた。昨年度に研究し発表したDiffusion Surfacesという手法では、物体の内部構造を色付きのサーフェスとして明示的に表現することを提案したが、この方法には物体内部の微細な構造をうまく表現できないという問題があった。そこで、Gaborノイズというプロシージャルな関数を使って微細な構造をコンパクトに表現することを考案し、そのノイズパラメタを手動で設定するためのインタフェースについて研究した。 その過程で、三次元的なノイズのパラメタを手作業で設定するのは非常に難しいという事がわかったため、ノイズのパラメタを、実物体をスキャンして得られるMRIボリュームデータから自動的に推定するための方法について研究した。具体的には、確率分布からのサンプリングによってノイズのパラメタを決定する方法を考案し、まずは二次元の場合についてある程度うまく動作することを確認した。今後はそれを三次元に拡張する予定である。 また、MRIボリュームデータはグレースケールであり色の情報を持っていないため、そのままではCGの目的に利用することができない。そこで物体断面の写真とMRIボリュームデータの対応関係をうまく考慮することで、ボリュームレンダリングの結果がその写真のようなリアルな見え方になるようにMRIボリュームデータに色の情報を転送する方法についての研究を行った。テクスチャ合成と類似したアルゴリズムによって色情報を転送する方法を考案したが、現状では十分なリアルさを実現するには至っていない。 今後はこれらの得られた知見をもとに研究をさらに進め、論文としてまとめる予定である。なお上記の研究を遂行するにあたり、東京大学大学院情報理工学系研究科の海外交流派遣プログラムによる支援を受け、トロント大学(カナダ)のDynamic Graphics Projectグループに約3ヶ月間滞在し、Karan Singh教授の指導を受けた。
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Research Products
(4 results)