2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07481
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 和晃 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 南海トラフ / 沈み込み帯 / 微動 / 低周波地震 / 震源決定 / 震源メカニズム |
Research Abstract |
・微動の詳細な時空間伝播の解析 申請者は、新たに開発したNCC震源決定法を用い、四国西部から紀伊半島,東海地域に至る南海トラフ全域のすべての低周波地震についての詳細な震源決定を行ってきた。結果、低周波地震の震源位置をこれまでにない精度で推定することができ、それらがプレート境界面上に分布することを明らかにした。しかし、これまでの解析では時間的には連続していない振幅の比較的大きい低周波地震にその対象が絞られていた。そこで今回新たに時間的に連続した低周波地震の解析を行い、微動の詳細な時空間伝播を解析した。その結果、低周波地震の震源がプレート沈み込みと平行方向に~10m/sの速さで移動していることが明らかになった。微動の震源移動は、沈み込みのプロセスと深く関わると共に既存の観測網では観測されないゆっくりすべりのインジケーターとなりうるものであるから、それを精確に決定することは非常に重要である。 ・低周波地震の震源メカニズムの分布の作成 また、連続した低周波地震の解析を行った結果、他の低周波地震との間に強い相関を持たない低周波地震が数多く存在することがわかった。このことは低周波地震の間でも震源メカニズムにばらつきがあることを示唆している。そこで、申請者は経験的グリーン関数とMatched Filter解析を組み合わせ、連続した微動の中から震源メカニズムごとに低周波地震を抽出する新たな計算コードの開発に着手した。コードはまだ開発段階であるが、完成すれば微動中の低周波地震の検出、震源決定、及び震源メカニズムの決定を同時に行うことができると期待され、微動現象解明の大きな一歩になると考えている。
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Research Products
(2 results)