2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07482
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺田 徹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 里山 / バイオマス / CO2削減 / 緑地管理 / ランドスケープ / 低炭素 / 市民 / コスト |
Research Abstract |
当年度(平成22年度)は,「低炭素を基軸とした緑地管理」の実現可能性を検討するものとして,主に以下の3つの研究課題を遂行した。 1.バイオマス利用による低炭素化をインセンティブとした里山管理の再生に関する検討 日本における主要な緑地のひとつである「里山」の管理再生に資するべく,管理再生時に発生するバイオマスの利用によるCO2削減効果を,現地調査に基づき定量的に解明した。結果にもとづき,低炭素化による里山管理の再生スキームをまとめ,国際誌Nature and Cultureに投稿し,採用・出版された。 2.廃材との複合利用による里山バイオマス利用のコスト削減効果の解明 バイオマスの利用による低炭素化を進めるにあたって,里山管理やバイオマス輸送に関するコスト削減が不可欠である。そこで,廃棄物収入を期待するため,都市域で多く発生する木質系廃棄物(建設廃材)と併せてバイオマスの収集・利用を行うスキームを提案し,コスト削減効果を明らかにした。研究成果は,日本造園学会誌(ランドスケープ研究)に掲載され,同学会の全国大会で口頭発表された。 3.市民による里山管理の可能性検討 上記1,2のスキームを遂行するためには,管理の担い手に関する議論が不可欠となる。そこで,千葉県船橋市で活動するNPO団体を先進的ケーススタディとして取り上げ,既存のボランティア団体とは異なり,効率的・面的な里山管理活動を,行政および所有者の支援を得ながら進めている実態を明らかにした。研究成果は,農村計画学会誌に掲載され,同学会の全国大会で口頭発表された。
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Research Products
(6 results)