2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07484
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山川 純 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノ構造体 / 有機π共役系分子 / 液晶 |
Research Abstract |
近年、ナノスケールの構造体に関する研究がマテリアルサイエンスの分野において広く展開されている。ナノ構造体の創出法として、水素結合、配位結合、π-π相互作用、ファンデルワールス相互作用などの非共有結合性の分子間相互作用を用いて複数の分子を秩序だって集合させる超分子化学的な手法が注目を集めている。高次構造と機能性を有するナノ集積体は大きな比表面積、小さなサイズ、および規則正しく並んだ分子配列を有しているので、分子単体では示されないような新しい物性の発現や分子デバイスへの応用も期待される。本研究ではトリフェニレンの高い安定性や優れた発光特性、そして一次元配向性を示す平面構造に着目し、長鎖アルコキシ基を導入したC_<2v>対称を有するトリフェニレン誘導体がリボンやリングといったナノ集積体を形成することをこれまでに明らかとしてきた。平成21年度の研究では、これまでよりも大きな極性を有する、シアノ基を導入したトリフェニレン誘導体を設計・合成し、その自己集積能について調査を行った。その結果、大きな極性を有するトリフェニレン誘導体がナノチューブを構築することを見出し、顕微鏡観察からナノチューブの壁面の厚みは100-200nm、空孔の直径は70-100nmと見積もられた。また、この分子が棒状の分子にもかかわらずヘキサゴナルカラムナー液晶相を形成することを明らかにした。
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