2011 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞プロテオミクスに向けたタンパク質高分離ナノデバイスの開発
Project/Area Number |
09J07507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石橋 亮 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分離科学 / ナノ流体科学 / マイクロチップ / 液体クロマトグラフィー / 拡張ナノ空間 |
Research Abstract |
【本年度の目的】 高分離能の拡張ナノクロマトグラフィーを実証し、水系移動相を用いた分離モードを開発する。 【高分離能の拡張ナノクロマトグラフィーの実証】 昨年度までに、順相クロマトグラフィーを拡張ナノチャネル(10~1000nmのサイズのチャネル)内で初めて達成し、本年度ではさらに、分離効率を設計することが可能になると考えた。 分離チャネルの長さと深さをコントロールすることにより、2,100段と従来のHPLCと同等の高い分離能を設計できることを実証した。これにより、ナノクロマトグラフィーは従来のHPLCよりも11桁小さい試料量(数fL)の試料を、2桁速い分離時間(4秒)、そしてHPLCと同等の高分離能(総理論段数:数1000段)を持つことを示した。 【水系移動相を用いた分離モードの開発】 拡張ナノ空間の特異性が誘起される水系の移動相を用いた分離へ展開した。 まず、固定相としてチャネル壁面(極性)、移動相として水とアセトニトリルの混合溶媒(極性)を用いた親水性相互作用クロマトグラフィーを達成した。さらに、バンド幅の増加が従来のバルクのVan Deemterの理論と異なる挙動を示すことを初めて見出した。今後さらなる解明により、拡張ナノ分離科学の解明や従来のクロマトグラフィーの分離原理の解明が可能になると期待できる。 また、タンパク試料の分離に一般的な逆相クロマトグラフィーを、チャネル壁面をTrimethylsilyl(TMS)基で疎水修飾することにより初めて拡張ナノ空間で達成した。またタンパク試料を用い、従来よりも6桁少ないタンパクの分子数で分析が可能であることを示した。
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Research Products
(9 results)