2009 Fiscal Year Annual Research Report
XMASS実験における液体キセノンを用いたダークマター探索
Project/Area Number |
09J07513
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平出 克樹 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ダークマター / 液体キセノン / XMASS実験 |
Research Abstract |
暗黒物質(ダークマター)とは、宇宙にある星間物質のうち光学的には観測できない物質のことで、これまでの渦状銀河の回転速度分布や、重力レンズ効果、宇宙背景放射の測定など様々な宇宙観測からその存在が示唆されている。その有力な候補であるニュートラリーノは、原子核との弾性散乱を通して直接探索を行うことができ、現在までに様々な直接探索実験が行われている。その中でDAMA/LIBRA実験グループは、他の実験グループが既に排除しているパラメータ領域でのダークマターの存在を示唆する結果を主張しており、新しい実験によってこれらの結果を確認する必要がある。そこで、本研究のXMASS実験では、800kg液体キセノン検出器を用いてダークマターの直接探索を本格的に行い、信号をとらえたと主張するDAMA/LIBRA実験の正否を確認し、世界最高感度で実験を遂行することを目標とする。 本年度は、XMASS検出器の準備を行ってきた。XMASS検出器は直径約80cmの球形をしていて、検出器の壁面に敷き詰めた642本の光電子増倍管により、液体キセノン中で発生したシンチレーション光を検出する。後段の読出しエレクトロニクスによって、光電子増倍管からの電気信号の発生時刻、波形、全電荷の情報を記録する。本研究では、主に読出しエレクトロニクスおよびデータ収集システムを担当し、その準備を行ってきた。具体的には、高電圧電源装置および読出しエレクトロニクスの試験、データ収集プログラムの構築、スローモニターシステムの構築などを行い、XMASS実験のデータ収集システムの準備に貢献した。
|
Research Products
(2 results)